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タマノイ酢に学ぶチームワーク戦術
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- Satoshi Oikawa
- https://x.com/oikwsat
2017.5.11 のカンブリア宮殿が「おいしい!ヘルシー!ユニーク商品を連発する\n 老舗が生んだチームワーク経営術の全貌!」という内容で,参考になること多いと感じたのでまとめておく。
2017 年 5 月 11 日放送 タマノイ酢 代表取締役社長 播野 勤 (はりの つとむ)氏 |カンブリア宮殿:テレビ東京
会社概要
- 会社名: タマノイ酢株式会社
- 創業: 1907 年(明治 40 年)
- 資本金: 2 億円
- 従業員数: 300 名(男性 150 名・女性 150 名)
- 拠点数: 14 (事業所・工場)
- 主要製品:はちみつ黒酢ダイエット,すしのこ,パーポー,穀物酢,米酢 ほか
- 業界: お酢業界でミツカン,キユーピー醸造に次ぐ,業界3位のメーカー
- 社長就任は 1991 年
番組内で紹介された施策
1. 個人 PC を廃止し,50 人で 10 台の PC を共有
- PC がないからこそ人間関係を濃くしないといけなくなる → チームワーク強化
- 資料・メールを共有しやすくなる
- 相談・話し合いが増える
- 資料を作ることが目的ではなく,PC が何のためにあるのかを考えている
2. 新入社員による報告会
- 会社の問題点等を発表する場。聴くのは社長含め幹部
- 若くても意見を言える社風に
- はちみつく黒酢ダイエットは入社 2 年目が開発
はちみつ黒酢ダイエットは,まずいランキング一位だった。
三島由紀夫の言葉を引用「本当に旗らしく 美味しいものは みんなが嫌がり怖がって敬遠する 本当に世の中に受け入れられたときは拍手が起こる」売れ続けるためには美味しいだけでは駄目で,なにか引っかかるものがないと駄目だと考えている
3. 数ヶ月毎に人事異動
- 数ヶ月毎に突然,オフィスの掲示板に異動通知が書かれた紙が貼り出される
- 1 年で部が変わるのは当たり前
- 背景として,縦割りすぎる組織により,事業所間・部署間の不仲を壊したかった
- まず,東京と大阪を半分入れ替えた
- 相手の立場になることで,
- やることは変わっても,"目指すもの"・"頑張ること" は共通なので大きな問題ではない
- 他の部署から移動があったことで働き方が変わった。4 年前から本社工場で週休 3 日制に変更した。1 日 8 時間勤務を 10 時間に変更して週 4 日勤務
- 狙い
- 常に慣れない人がいて社員同士が助け合うようになる
- 社員に多くのつながりができる
- 会社全体を意識できるようになる
- 短期的な売上や利益を最高の価値観と考えると難しいが,チームワークの文化の醸造に価値を求める場合には有効だと思う
4. 就業時間内に 30 分運動することをルールとしている
- 会議前にやると,会議が明るくなる
- りんごくろ
5. 夜 8 時までにオフィスを消灯をルールとしている
- 3 年前に導入。
6. キャリア制社員という雇用形態を採用している
- 夢を後押しする制度 (フリーターが多い時期が有り,そんなことで社会人として大丈夫か?という,10 年以上前にスタート)
- 最長 5 年間働ける契約社員 (必ず 5 年間で終わり)
- 正社員と同じ仕事・福利厚生。残業なし。
- 5 年間勤め上げると退職金ボーナスとして 50-100 万支給
- 会社は社員の生きがいを実現する場とし,目先の売上よりも,チームワークと変化に強い組織造りを優先している。そのために下記方針で積極的に仕組みを作り出している
- チームワークの向上
- 従業員のやる気を引き出す
- 最優先で変化への対応力を求める。 ※恐竜ではなくゴキブリを目指す